洋菓子製造を専門とする職人をパティシエと呼びます。
日本では一般的に、洋菓子職人全般をパティシエと呼んでいるようですが、本来は「パティシエ」は男性の洋菓子職人を指し、女性の場合は「パティシエール」と呼びます。
街のケーキ店や洋菓子店、大手菓子メーカーの生産ライン、ホテルやウェディング、レストランやカフェなど、多くの現場でパティシエは活躍しています。
一方、調理師とは、料理全般を作る職人のうち「調理師免許」を取得した人を呼びます。
「料理人」「シェフ」「板前」…料理人の呼び方は様々ありますが、「調理師」は有資格者だけが名乗ることを許されている呼称です。
ース料理などは前菜からメインまでをシェフがトータルで提案します。
パティシエの仕事をもっと詳しく!
小規模な店で働くパティシエは、そもそもそこで働くスタッフの数が少ないこともあり、新メニューの開発から製造の全工程を担当する場合が多いです。時には販売までの全てを1~2名のパティシエで行うことあります。製造から販売まで全てのプロセスに関わることができます。
一方、大規模な店や工場等、企業的に経営されている現場では、より効率性を重視し、「焼き菓子のみ」「生地のみ」「デコレーションのみ」など、工程ごとに作業を分担する場合があります。
また、ホテルやレストランなど、アシェットやデセール(皿盛りデザート)で提供する現場では、美しく盛りつける技術も必要で、より高い美的センスが必要になります。
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資格について
前述の通り「調理師」と名乗るには国家資格である「調理師免許」が必要です。この資格は厚生労働大臣が指定する調理師養成施設(調理師学校)を卒業するか、現場での実務経験を経て国家試験に合格すれば取得することができます。
一方、パティシエになるために必ず取得しなくてはならない資格はありません。お菓子を作ることが出来さえすればパティシエを名乗って仕事をすることは可能です。
ただし、多種多様な洋菓子作りのレシピや技術を独学で修得し、さらにお客様に提供できるようなクオリティで大量に製造するのはとても高度なスキルを必要とします。
そこで、製菓の学校に通ってベースとなる技術を充分に身につけてから就職することが一般的になっています。
また、必須ではありませんが、製菓分野の資格としては「製菓衛生師」や「菓子製造技能士」があります。
それぞれ専門的な学習が必要なので、身につけた知識や技術を証明する上では有効だとも考えられます。
パティシエになるには
洋菓子専門店、ホテル、レストランなど、パティシエの活躍の場はさまざまです。
ホテルやレストランでは、デザート担当として働くことになります。「アシェットデセール」と呼ばれる皿に盛りつけられたデザートを作ることが重要な仕事となるので、繊細な美的センスが問われます。例えば、パーティーのデザートやウェディング用のケーキを作ることもあります。
一方で、洋菓子専門店で働く場合、店頭に並べるお菓子を作ります。
パティシエの数が多い店舗では担当するお菓子や作業が分担されていることがあります。パティシエが少ない店では、材料の下準備から生地作り、仕上げのデコレーションまで、本来の担当分野を越えて携わることもあります。
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たくさんの種類のお菓子を作れることが、洋菓子専門店のパティシエの魅力!
「パティシエ」と名乗るために必須な資格はありません。製菓の現場でお菓子作りに従事する人は誰でもそう名乗ることが出来ます。
一方で「調理師」と名乗るには調理師免許を取得しなくてはなりません。「調理師」は「名称独占」の国家資格であるからです。
したがって、調理師免許を取得した上で製菓の現場で働く人は「調理師でありパティシエでもある」と名乗ることができますが、たとえ現場で製菓と同時に調理を担当していても調理師免許を持っていないパティシエは調理師と名乗ることはできません。
ただ、調理師免許を取得したことがパティシエになる上でメリットになるとは必ずしも言えません。
もし個人でパティスリーを開店したいなら、特に料理の技術は必要無いので、スイーツだけを深く学ぶパティシエを目指す方が妥当だと考えられます。
調理師は調理全般のプロであり、その技術にはデザートやスイーツも含まれますが、菓子製造に特化しているわけではありません。
実際、デザートやお菓子といったジャンルは、パティシエという専門職種が必要なほど奥が深いものです。
織田製菓専門学校では……
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毎年多くの卒業生が、ホテルやレストラン、街のパティスリーやカフェに就職し、一部の卒業生は自分のケーキ店を開業した人もいます。
監修 織田製菓専門学校 教員