パンほど世界中で親しまれている食べ物は、そう多くはないでしょう。
同じパンというカテゴリーの中でも、世界の各地域によって形が大きく変わります。
長く愛されているパンでいうと、有名なフランスパンやドイツのプレッツェル、イタリアのフォカッチャなどがあります。
それらを他国から取り入れ、独自に変化させるケースも多いです。
分かりやすい例としては、日本でいうところの惣菜パンがそれにあたるでしょうか。
日本以外にも様々な国でパンは変化し、人々の暮らしの中に溶け込んでいます。
ここでは、その中からいくつかを紹介します。
・イギリス
現代ではアメリカで大人気の「イングリッシュマフィン」ですが、元々の発祥はイギリスです。中の生地がもっちりしている食感のパンで、真ん中でふたつにわり、トーストしたり、バターをつけたり、好きなものと一緒に合わせたりして食べます。
・フランス
伝統的なフランスパンの総称を「パン・トラディショナル」といい、バケットとフルート、バタールとパリジャンの4種類がこれに含まれます。小麦粉、水、塩、イーストの最もシンプルな配合で作られるパンです。日本ではバケットのことを「フランスパン」とも呼びますね。表皮の香ばしさと、中に大小の気泡があるのが、一般的な「バゲット」のイメージですが、これを再現するのはフランスのパン職人にとっても非常に難しく、高い技術の詰まったパンといえるでしょう。
・アメリカ
アメリカは多民族国家なので、世界各国のパンが浸透していますが、その中でも「ベーグル」は特にアメリカを印象付けるパンではないでしょうか。元々「ベーグル」は、ユダヤ人にとっての伝統的なパンです。彼らがアメリカに移民したのをきっかけに、製造時間が短くサンドウィッチ向きで手軽に食べられるので現地で広まったと言われています。
・イタリア
イタリアンレストランでもよく見る「フォカッチャ」。オリーブオイルやハーブなどで風味づけされ、塩味のきいた、イタリア北部の伝統的なパンです。料理の付け合わせとして出されることはもちろん、前菜のおつまみとして提供されることもありますし、チーズ等をはさんでサンドウィッチにして食べることもあります。
・ドイツ
「カイザーロール」、「カイザーゼンメル」というと聞き慣れないかもしれませんが、パンの上面に星型の切れ込みが入っているパンを見たことはないでしょうか?あれは星型の切れ込みが王様や皇帝の王冠のように見えるため、皇帝の意味を持つカイザーという名が付けられたそうです。ハムやソーセージ等の具材をはさんで食べるのが人気の食べ方です。小麦ではなくライ麦が主に使われ、噛み応えや香り高いパンに仕上がります。小麦と配合されることもあります。
・デンマーク
どちらかというとスイーツ的なパンというイメージが強いでしょうか。日本でも人気の「デニッシュペストリー」は、バターが生地に織り込まれていて、クリームやフルーツをトッピングしていただく菓子パンです。
パティシエやパン職人での就職を考える前に「最初にこれだけは必ず知っておきたい」情報をまとめたページです。進路を考えるときのヒントとして活用ください!
パン職人の進路はさまざま
各国には様々なパンがあるので、フランス料理店ではバゲット、イタリア料理店ではフォカッチャというように、パン職人が求められるシーンは多種多様です。
ジャンルを絞り込み、それぞれのパンの道を極めるために海外に修行に出るという人も多くいます。
このように世界中で親しまれ愛されているパンですので、活躍の場は日本には留まりません。
パン職人は、技術ひとつで世界を渡り歩くことさえできる職業でしょう。
日本においても、専門店以外に、小売店流通向けの大手製パンメーカーやホテル内の製パン部門など、就職先は多岐に渡ります。
パティシエやパン職人での就職を検討している方に向けてオンライン個別相談を実施しています。製菓製パン分野の進路に迷ったときは是非ご利用ください!
織田製菓専門学校では……
将来の夢を実現するために充実した就職活動支援を行っています。
毎年多くの卒業生が、ホテルやレストラン、街のパティスリーやカフェに就職し、一部の卒業生は自分のベーカリー・カフェ・パティスリーを開業した人もいます。
監修 織田製菓専門学校 教員