ひと口にパンといっても、気候、歴史の違いによって様々な種類のパンが世界で生み出されてきました。
パン職人「ブーランジェ」を目指している方であれば、世界のパンについての詳しい知識も必要です。
そんな世界のパンについてご紹介します。
それぞれの国で独自に生まれたパンの、歴史や特徴を知り、より知識の深いブーランジェを目指せます。
日本で生まれたパン
米飯が主食である日本のパンの歴史は比較的浅く、1842年4月12日に江川太郎左衛門が初めて焼いたパンが日本初のパンと言われています。4月12日はパンの日としても制定されています。
その後、食の多様化が進み、パンにも注目が集まる中で、日本のパンも独自の発展をとげていきます。
あんパン
日本独自のパンといえば、あんパンは外せません。考案したのは、現在も続く「木村屋」の創始者木村親子です。
「酒饅頭」をヒントに、1874年にあんパンを生みだしました。
ジャムパンも、同じく木村屋が発祥です。
カレーパン
カレーを生地で包みパン粉をつけて揚げる、カレーパン。
とんかつから発想したといわれるこのパンは、昭和2年に東京の「名花堂(現カトレア)」が生みだしました。
クリームパン
1900年頃、「新宿中村屋」が考案。シュークリームのおいしさに感動したことが、クリームパン誕生のきっかけになったといわれています。
フランスで生まれたパン
フランスのパンは、気候や土壌の関係から、バリッと硬い外皮が特徴です。
主食がパンのフランスでは様々なパンが生み出されました。その一部をご紹介します。
バゲット
日本では「フランスパン」と呼ばれているほどに、フランスの代表的なパンです。
小麦、パン酵母、塩、水だけで作られています。
大きさや形により「パリジャン」「バタール」「ブール」などの種類に分けられます。
クロワッサン
バターやマーガリンを生地に折り込み、「三日月」型に焼いたパン。
その歴史は17世紀のウィーンまでさかのぼりますが、現在のクロワッサンのレシピが誕生したのは20世紀初頭のフランスだといわれています。
ブリオッシュアテット
バターと卵をたっぷりと使ったパン。フランス中世の僧侶の頭を模しているそうです。
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イタリアで生まれたパン
イタリアのパンは、地方によって味や形が大きく異なるのが特徴です。
フォカッチャ
日本でも有名なフォカッチャは、イタリア生まれです。
ピザの原型ともいわれています。
チャバタ
イタリア語で「スリッパ」が語源の、平べったい形のパンです。
シンプルな小麦の味わいが特徴で、サンドイッチによく使用されています。
ロゼッタ
バラが語源となっている、花の形をしたパン。
小麦粉、パン酵母、塩、水だけで作られている非常にシンプルなパンです。
ドイツ生まれのパン
小麦の収穫が難しかったドイツでは、ライ麦を使ったライ麦パンが主流でした。
種類はかなり多く、以下はその一部です。
ライ麦パン
ドイツを代表するパンのひとつです。
小麦を混ぜて作るパンもありますが、ライ麦の割合が高いほど、しっとりと重たい口当たりとなります。
プレッツェル
語源の「組み合わせた腕」のように、結び合わされた形をしています。
非常にシンプルな作り方で、ほんのり効いた塩味がビールによく合います。
ヴァイスブロート
数%のライ麦粉を使うこともありますが、小麦粉主体で作られているパン。
当初は、南ドイツで多く作られていました。
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アメリカ生まれのパン
アメリカは、ホットドッグなど、パン生地を使ったファストフードが有名です。
アメリカ生まれのパンには、どのようなものがあるのでしょうか。
ベーグル
日本でも有名なベーグルは、19世紀後半にユダヤ人の移住とともにアメリカに伝わり、1980年代にニューヨークを中心に広がっていきました。
ツヤのある表面と、もちもちとした食感が特徴です。
サワードゥブレッド
1800年代に生まれたサンフランシスコ生まれのパンです。
空気中の乳酸菌を発酵させて作ります。
テーブルロール(バターロール)
食事用の小型のパンで、バターが生地に練り込まれているのが特徴。
ハンバーガーやホットドッグに使われているパンは、このテーブルパンが元になったといわれています。
このように、世界には様々なパンがあり、作り方や味、形が異なります。
ブーランジェを目指す方は、パンの種類やその作り方についてもしっかり理解することが必要です。
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