製菓コラム

甘くするだけじゃない?パンを作るときの「砂糖」の役割

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味だけじゃないパン作りでの砂糖の活躍

たくさんの種類があるパンですが、基本となる材料は、味を決める「小麦粉」、パンをふくらませる「イースト」、生地をまとめる「水」、味をつけてコシをつける「塩」のたった4つです。 しかし、レシピ本などでは、この4つ以外に砂糖や油脂(バターなど)、牛乳、卵などを加えていることがよくあります。 とくに砂糖は、菓子パン以外のパンでも多く使われる材料です。それはただパンに甘さを加えるだけではない理由があるからです。ここでは、パンを作る際の砂糖の役割について説明します。

イーストの栄養になる

織田製菓専門学校の製パン実習で作るパンの一例

砂糖がパン作りで必要な理由は、パン生地づくりに欠かせない「イースト」の栄養になるためです。 イーストは糖を栄養にして発酵し、ガスを発生させて、そのガスで生地をふくらませます。この栄養源こそが砂糖なのです。 とくに家庭で作る場合、砂糖を加えた方がイーストの発酵がスムーズになって効率よくパンがふくらむため、必要になります。

ちなみに、イーストは砂糖なしでも発酵します。その代表格が、砂糖をまったく使わないフランスパンです。しかしながら、フランスパン作りは発酵管理が非常に難しく、パン作り初心者には難易度が高いパンといわれています。

日持ちする

織田製菓専門学校の製パン実習で作る工芸パン

砂糖にはパンを日持ちさせる効果があります。通常、パンは時間がたつと水分が蒸発して、かたくなってしまいます。しかし、吸水性や保水性のある砂糖を加えることで、パンの劣化を防いでくれます。そのため、糖分の多いパンほど、やわらかい状態が長く続き、日持ちが期待できます。

焼き色をつける

織田製菓専門学校の製パン実習で作るあんぱんとカレーパン

パンの魅力のひとつに焼きあがったときのこんがりとした焼き色と小麦の香ばしい香りがあります、この焼き色と香りを作るのに必要なのが砂糖です。砂糖は材料に含有しているアミノ化合物と化学反応することにより、パンにきれいな焼き色と香ばしい風味をつけます。そのため、砂糖の量が多いほど、焼き色が濃くなります。

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砂糖の種類と選び方

パン作りでは一般的にグラニュー糖か上白糖がよく使われますが、コクや風味を加えたい場合は、三温糖やきび砂糖など使ってみるとよいでしょう。 また、パン作りに慣れたら、作りたいパンや好みに合わせて砂糖を使い分けてみるのもおすすめです。

砂糖の入れ過ぎに注意する

織田製菓専門学校の製パン実習でパン生地をこねる学生

砂糖はパン作りには欠かせない材料ですが、多く入れ過ぎると発酵力を弱め、パンがうまくふくらみません。 具体的には、砂糖の量が全体の粉量の約10%以上になると発酵する力が弱まってしまいます。 そのため、砂糖を多く使う場合は、発酵時間を長くしたり、イーストの量を増やしたりしましょう。耐糖性イーストを利用するのもおすすめです。 また、砂糖の量が多いとベタベタとした生地になるため、水の量を減らしてこねやすくする必要があります。 加えて、砂糖が多いと表面が焦げやすくなるため、焼成時間・温度の調節も必ず行いましょう。

砂糖はパンに甘さだけでなく、さまざまなメリットを与えてくれる材料です。 ぜひ、砂糖にもこだわっておいしいパンを作ってみてください。

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監修 織田製菓専門学校 教員

カテゴリ:コラム

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